The World Rock Paper Scissors Championship — when janken had pros
发布日期: 2026-05-07
From 2002 to 2009, the World RPS Championship in Toronto crowned annual winners with cash prizes. Yes, professional rock-paper-scissors was a thing.
じゃんけんで真剣勝負して、 トロフィーや賞金がもらえる ── そんな世界選手権が、 ほんの十数年 前まで実在していました。 「世界じゃんけん選手権 (World Rock Paper Scissors Championship)」 です。 ファンクラブから始まり、 やがてカナダ・トロントの公会堂で何百人もの予選を勝ち抜く 本格大会へ成長した「ガチ勢のじゃんけん」 を簡単にたどってみます。
World RPS Society と 2002 年の第 1 回大会
舞台はカナダ・トロント。 2002 年、 Walker 兄弟 (Douglas / Graham) が立ち上げた World RPS Society が、 バーを貸し切って第 1 回の世界選手権を開催します。 「友達 25 〜 30 人がビールを 飲みながら遊んでくれたら成功」 と思っていたところ、 ふたを開けてみたら何百人もの参加者が 詰めかけ、 翌年以降は本格的な大会へと膨らんでいきました。 以降、 2009 年まで毎年トロントで 決勝大会が行われ、 参加者は地元カナダだけでなく、 アメリカ・ヨーロッパ・アジア各地から 集まりました。
賞金と「グランドマスター」 称号
賞金額は年によってまちまちで、 2002 年初回大会の優勝賞金は 1,200 ドル前後と控えめでしたが、 その後ぐんと膨らみ、 2006 年の総賞金は 1 万ドル規模、 後年は優勝賞金が 7,000 ドル前後の年もありました。 「3 手の運ゲー」 のチャンピオンに与えられる金額としてはなかなか派手です。 優勝者にはチャンピオンベルトのほか、 「グランドマスター」 の称号と次年度シード権が与えられました。
戦略を語る人たち
本気で勝ちにいくプレイヤーは、 単純な「読み合い」 を超えた研究をしていました。 World RPS Society が出版した『The Official Rock Paper Scissors Strategy Guide』 (2004 年) には、
- 初心者の男性は最初にグーを出しやすい (= こちらはパーで先回り)
- 連勝中のプレイヤーは同じ手を続けがち (= 当てれば一気に逆転できる)
- 負けた直後に「同じ手を 2 連続出す」 のは平均より少ない (= 直前手は除外候補)
- 相手にプレッシャーをかけるための声かけ (= 「それじゃ次もグーかな?」 と煽る)
といったノウハウがまとめられていて、 後の心理学研究で「Win-Stay, Lose-Shift」 として理論化 されたパターンの多くを、 経験則として先取りしていました。
$50,000 のラスベガス大会
トロント大会は 2009 年を最後に下火になりますが、 米国では 2005 年に立ち上げられた USA Rock Paper Scissors League (USARPS) が Bud Light のスポンサーを得て、 2006 年から年次大会を ラスベガスで開催。 賞金は 5 万ドル まで膨らみ、 ESPN でも放送されました。 日本のじゃんけん文化が「お座敷遊び・子どもの順番決め」 として残ったのに対し、 北米では一気に ショービジネス寄りに進化したのが対照的です。
大会は減ったけれど、 戦略の遺産は残った
今では年次の世界選手権としては開催されていませんが、 当時の戦略本やインタビューはアーカイブ され、 オンライン対戦の AI モデルや論文 (Wang ら 2014 など) の研究素材になりました。 じゃんけんが「ガチで研究する価値のある対戦競技」 として一度 認定された痕跡は、 今もネット の片隅に残っています。 次に友達と勝負するときは、 ちょっとだけ「グランドマスター」 の心境で 手を選んでみると、 いつもの一戦が違って見えるかもしれません。