The judge who ordered "settle this with rock paper scissors" — a real US case
Published: 2026-05-07
Frustrated by lawyers bickering over a deposition venue, a US federal judge actually ordered them to settle it with one game of rock paper scissors. 2006, on the record.
裁判官といえば、 法律と判例を背景に冷静に判決を下す職業 ── というイメージがあると思います。 ところが、 米国の連邦地方裁判所が出した判決の中に、 文字通り「両者でじゃんけんを 1 試合やって 決めなさい」 と命じたものが、 確かに存在します。 2006 年 6 月、 公式の命令文として残って います。
事件の発端は「証言録取をどこでやるか」
舞台は米フロリダ州中部地区の連邦地方裁判所で起きていた、 Avista Management, Inc. v. Wausau Underwriters Insurance Co. という民事訴訟。 詳細はさておき、 訴訟 準備の段階で証人の証言録取 (デポジション) をどこの会場でやるかについて、 原告側と被告側の 弁護士が延々と揉めていました。 一方は「うちの事務所で」、 もう一方は「中立の場所で」 と譲らず、 この大の大人の些細な言い争いがついには裁判所への申し立てとして上がってきてしまったのです。
判事の出した「珍判決」
担当した Gregory A. Presnell 判事 は、 これに業を煮やし、 命令文の形で次の ような趣旨の決定を出します。
- 双方の弁護士は、 それぞれ 1 人の paralegal を伴うこと
- 2006 年 6 月 30 日 午後 4 時に、 中立の場所 (連邦庁舎の階段が望ましい) に集合すること
- そこで両者は 「Rock, Paper, Scissors を 1 試合 (one game)」 行い、 勝った側が証言録取の場所を Hillsborough County の中で自由に決めてよい
- 勝敗が決した時点で、 双方の弁護士は紳士的に協力して証言録取の場所を確定させること
つまり、 公式な裁判所の命令として「じゃんけん 1 試合で決定する」 というユーモアたっぷりの 判断を下したわけです。 文書は判事のサイン入りで残っており、 米国法曹界では今でも引用される 「benchslap (= 法廷からのお灸据え)」 の代表例として知られています。
「裁判所の時間と税金を浪費するな」 という強烈なメッセージ
Presnell 判事の意図は明確で、 「こんな低レベルな揉め事を司法の場に持ち込まれて困っている、 自分たちで遊びの感覚で解決しろ」 という、 弁護士たちへの強烈な皮肉でした。 これ以来、 米国の判事の中には類似の「揉め事はじゃんけんで決めなさい」 系の命令を出す人がときどき現れ、 そのたびに地元紙が記事にしています。
じゃんけんが、 ここまで「公平でユーモラスな決め事の方法」 として国際的に認知されているのは、 意外と希少なことかもしれません。 ちょっとした諍いで困ったときは、 偉い裁判官のお墨付きを もらった気分で、 1 試合じゃんけんしてみても良いのではないでしょうか。